シャノン=ウィーバーモデルで
理想的な交流を
コミュニケーション理論の基本として有名な
シャノン=ウィーバーモデル(SHANNON-WEAVER MODEL)[臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタント試験用語]は、1949年に電気通信の研究から生まれた理論。
シャノン=ウィーバーモデルは、情報がどのように伝達されるのかを説明しており、人間同士のコミュニケーションにも応用されています。この理論を学ぶことで、私たちが日々行っている会話や情報のやり取りを、より効率的かつ効果的に行うヒントを得ることができます。
シャノン=ウィーバーモデルは、主に「送り手(送信者)」が情報を作り、「チャンネル(通信経路)」を通じて「受け手(受信者)」に伝えるという流れで構成されています。
友達にLINEでメッセージを送る場面を思い浮かべてください。あなたが送り手、LINEがチャンネル、友達が受け手です。しかしながら、通信の途中でネットが遅いなどの「ノイズ」が入ると、メッセージがうまく伝わらないことがあります。
シャノン=ウィーバーモデルは、日常の会話だけでなく、プレゼンや広告、SNSでの情報発信など、幅広い場面で役立ちます。この理論を知ることで、より効果的に自分の考えを伝えたり、相手の意図を正確に理解したりする力を高めることができます。
伝えたいことを伝えるために
シャノン=ウィーバーモデルは、コミュニケーションの基本を説明するモデルで、次の6つの要素で構成されています。
これは情報がどのように伝わり、どんな障害が起きるかを理解するのに役立ちます。授業やプレゼン、日常会話など、あらゆるコミュニケーションに応用できます。
- 情報源(SOURCE)
メッセージを作る人や組織。例えば、授業で知識を伝える先生や、商品を宣伝する企業が該当します。
- 送信者(TRANSMITTER)
情報源からのメッセージを、具体的な形(信号)に変える役割を持つ存在。人の場合、声やジェスチャーがこれにあたります。
- 信号(SIGNAL)
メッセージが形になったもの。音声や文字、画像、身振りなど、内容を伝える手段を指します。
- チャンネル(CHANNEL)
メッセージを伝えるための媒体。電話やメール、直接の会話など、メッセージが通る「道」のような存在です。
- 受信者(RECEIVER)
メッセージを受け取り、意味を理解する人。相手が内容を理解できるかどうかが、かなめです。
- ノイズ(NOISE)
情報が正確に伝わらなくなる要因。たとえば、雑音や誤解、文化の違いなどが影響します。
シャノン=ウィーバーモデルの実践
シャノン=ウィーバーモデルは、職場やカウンセリングなど、さまざまな場面で役立つ考え方を提供しています。
- 職場でのスムーズな意思疎通
職場では、上司が部下に指示を出す場面などで、シャノン=ウィーバーモデルが役立ちます。たとえば、情報を伝える側(上司)が、わかりやすいメッセージを作成し、それを正確に伝える必要があります。
また、受け取る側(部下)が、その内容を正しく理解することも必要。このとき、「ノイズ」と呼ばれる妨げ(専門用語の多用や曖昧な表現など)を減らす工夫が欠かせません。
- 心理カウンセリング
心理カウンセリングでは、クライエントとカウンセラーの間で感情や考えを正確に伝え合うことが求められます。しかし、ここでも「ノイズ」が問題になる場合があります。
たとえば、文化や価値観の違いなど。カウンセラーはそれらを考慮し、クライエントが安心して話せる環境を作り、適切な言葉を選ぶ必要があります。
異文化と技術の壁を超える
シャノン=ウィーバーモデルは、情報を発信者から受信者へと伝えるプロセスを示したコミュニケーション理論。
一方、この過程にはさまざまな障害(ノイズ)が発生することがあります。たとえば、異文化間のコミュニケーションでは、言語や価値観の違いから誤解が生じやすくなります。
また、オンライン会議中に音声が途切れたり画面が乱れたりする技術的な問題も、メッセージを正確に伝える妨げになります。こうした問題を解決するためには、以下のような方法が役立ちます。まずは、「フィードバック」を積極的に取り入れることです。
相手の反応を確認しながら話を進めることで、自分の伝えた内容が正確に理解されているかどうかを確認できます。誤解があれば、その場で修正することが可能なのです。
「チャンネルの適切な選択」も大切です。たとえば、感情を伴う重要な話題では、対面での会話がオンラインツールよりも効果的です。メッセージの内容や状況に応じて、最適な伝達手段を選びましょう。
双方向コミュニケーションの発展
シャノン=ウィーバーモデルは、コミュニケーションの仕組みを説明する基本的なモデルで、「一方向型」と呼ばれています。これは、情報を発信者が送り、受信者がそれを受け取る流れを単純化して表現したものです。
しかし、現代のコミュニケーションでは、単に情報を送るだけではなく、相手との相互作用や影響し合うプロセスが重要とされています。そのため、心理学やカウンセリングでは、インタラクションモデルやトランザクショナルモデルといった、より実践的な理論を学ぶ必要があります。
インタラクションモデルは、送信者と受信者が交互に役割を切り替えながらコミュニケーションを行うことを説明します。
一方、トランザクショナルモデルは、双方が同時に影響を与え合いながらやり取りを進めるという考え方を重視しています。これらのモデルは、実際の会話やカウンセリングの現場で、相手の反応や状況をリアルタイムで捉えながら対応するために役立ちます。
現代のコミュニケーションを理解するには、単なる「一方通行」のやり取りではなく、双方向のやり取りを意識し、相手の立場や感情に寄り添うことが求められるのです。
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