エリクソンの心理社会的発達理論
:8つの段階
エリクソンの心理社会的発達理論[臨床心理士・公認心理師・産業カウンセラー試験用語]は、人生の中で直面する「心理社会的な課題」を示したものです。人生を8つの段階に分け、それぞれの段階で乗り越えるべき課題があるとします。
人生の発達は一生続くプロセスであり、どの段階も成長のチャンス。この理論は、自分自身の心の動きや他人との関係を深く理解する手助けになります。今感じている悩みや迷いも、成長のために必要な経験だと前向きに捉えられるようになります。
すべての課題を完璧に解決することは難しいですが、向き合い続けることで充実した人生を築けます。エリクソンの理論を通じて、自分の成長を見直し、新しい一歩を踏み出しましょう。
乳児期と幼児期の心の成長
- 乳児期(0~1歳)信頼感と不信感
最初に経験するのは「信頼」と「不信」の発達です。この時期、特に母親や他の養育者との関わりを通して、周りの世界を安全で信頼できる場所だと感じられるようになり、そういうことは成長後の人間関係や心理的安定にも影響を与える大切な基盤となります。
お腹が空いた時にミルクを飲ませてもらったり、不安な時に優しく抱きしめてもらったりすることで、安心感を得ます。一方、愛情深い世話が十分に行われないと、「不信感」が生じてしまうのです。
- 幼児期(1~3歳)自律性と恥・疑惑
赤ちゃんから少し成長して「自分でやりたい」という気持ちが芽生える時期。歩いたり話したり、自分から進んで行動したりする力が発達します。
大人が適度に見守り、自由に挑戦させてあげると、子どもは「自律性」を身につけます。しかしながら、過度に干渉したり、失敗した時に厳しく叱ったりすると、子どもは「恥」や「疑惑」の感情を抱き、自信を失います。
この時期の経験は、将来の自己肯定感や独立心に大きく関わるため、失敗も成長の一部と捉え、見守ることが大切です。
3~12歳の子どもの成長課題
- 児童期前期(3~6歳)主導性と罪悪感のバランス
自分でやりたいことを考え、実際に行動に移す「主体性」が発展する時期です。遊びや簡単な手伝いを通して、自分の考えたことを実現しようとします。
しかしながら、何度も失敗したり、叱られたりすることが続くと、「自分はダメなんだ」と感じてしまい、「罪悪感」が強くなってしまいます。
この段階で大切なのは、失敗しても温かく見守られ、挑戦が応援されることです。そうされることで、挑戦する意欲を失わずに成長できるのでしょう。
- 学童期(6~12歳)勉性と劣等感
学校や家庭で新しい知識やスキルを身につけることに集中します。この時期に努力を認められると、「自分はできる!」という自信が育ち、「勤勉性」が発展します。一方、周囲と比べられて「自分は他の子より劣っている」と感じると、「劣等感」に悩んでしまいます。
この段階では、結果だけでなく努力の過程が評価され、自分のペースで成長できるようにサポートされる必要があります。
青年期から成人期初期
- 青年期(12~18歳)アイデンティティの模索
自分が「何者であるか」を考え始める時期。自分の価値観や生き方を模索しながら、アイデンティティ(自己認識)を確立しようとします。さまざまな挑戦を通じて、自分自身を理解し、成長していくステップです。
しかしながら、周囲からの理解やサポートが不足しすぎると、方向性が見えなくなり、役割の混乱をまねき、自信や将来の目標が持ちにくくなります。
- 成人期初期(20代)親密な関係を築く
青年期を経て自分自身を確立すると、他者と深い関係を築こうとしていきます。成人期初期は、恋愛や友情、仕事の人間関係など、親密なつながりをつくる時期。
それらの関係を通じて、自分をさらに成長させることができます。ただし、自分をさらけ出すのが怖かったり、人間関係がうまくいかなかったりすると、孤独を感じることもあります。
この時期は、相手を理解し、信頼し合うことで、自分も他者も尊重し合える関係を築くチャンスが広がっていく段階です。
30~60歳の岐路:成長と社会貢献
- 中年期(30~60歳):成長と停滞の分かれ道
家庭や仕事、社会を通して貢献することが求められる時期。子育てを通じて家族に尽くしたり、職場で成果を上げたりすることで、「自分が誰かの役に立っている」という実感を得ることができます。
そんな実感は、自己成長にもつながり、充実感をも生み出すのです。一方、何も達成感を得られない状況が続くと、無気力になったり「停滞感」を感じやすくなったりします。そんな状態は、自分の存在意義を見失うきっかけにもなるため、要注意なのです。
- 老年期(60歳以降):満足と絶望の分かれ道
これまでの人生を振り返り、「自分はよく頑張ってきた」「幸せな人生だった」と思えると、充実感が感じられます。満足感を持てると、「統合性」と呼ばれる心の安定が得られるのです。
しかしながら、過去の選択や出来事を後悔したり、「もっとこうすればよかった」という思いが強くなったりすれば、「絶望感」にとらわれやすくなります。そんな結果、人生の最終段階で不安や孤独を感じやすくなってしまいます。
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